メタ思考とは何か?いつ役に立つのか?

今回は、「メタ思考」というトピックについて、自分なりに感じることを簡単に整理したいと思います。

(読むのに必要な時間:約5分)


メタ思考とは何か?

メタ思考とは何でしょうか?


まずは、言葉の意味から考えてみます。メタ思考とは、「メタ」な「思考」のことです。

それでは、「メタ」とはどういう意味でしょうか?以下、Wikipediaの引用です。

「あとに」という意味の古代ギリシャ語の接頭辞。 転じて「超越した」、「高次の」という意味の接頭辞で、ある学問や視点の外側にたって見る事を意味する。 「変化」を意味する接頭辞。例えばmetamorphose(変化)、metabolism(代謝)などで用いられる。


言葉の意味を純粋に考えると、ある視点の外側に立って思考することと言えそうです。


一般的には、「一つ上の視点から思考する」などと表現されます。(参考

わかりやすくなるように下のような絵を描いてみました。


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私たちは見聞きした情報に対して、思考する訳ですが、その思考に対してさらに思考するというイメージを私は持っています。 例えば、「失敗Aの原因はBである」と考えている場合、「じゃあ、その根拠は何か?なぜそう考えているのか?」と思案を巡らせる行為がメタ思考です。


思考とメタ思考の対応関係は以下のようになるでしょう。


  • 「失敗Aの原因はBである」=思考
  • 「『失敗Aの原因はBである』と考える根拠はCである」=メタ思考

メタ思考の具体例

先ほど挙げたのは、「失敗の原因分析」というメタ思考活用シーンの一つです。ここでは、もう一つの活用シーンとして、「前提を見直す」という事例を挙げましょう。


例:前提を見直す

「Xという事実をみて、Yという仮説を立てた」時に、「その仮説は妥当か?と考える行為」がメタ思考です。


先ほどと同じように対応関係を書くならば、以下のようになるでしょう。


  • 「Xという事実に基づくと、Yという仮説が立つ」=思考
  • 「『Xという事実に基づくと、Yという仮説が立つ』は妥当ではない。なぜなら、Yという仮説はXが前提条件Zを満たす場合においてのみ成り立つものであり、今は前提条件Zが成り立っていないからである。」=メタ思考

といった形になります。

終わりに

今回挙げた「前提を見直す」「失敗の原因を分析する」は、いずれも探索的な要素の強い仕事において、成果を出すために重要なことだと感じます。(これは私の解釈です)


前提を見直すことができないと、容易に本来の目的とはかけ離れた施策打ってしまうでしょう。議論も発散しがちになります。失敗の原因を分析できないと、トライアルから得られた結果を元に適切な改善策が見つけられません。


私はこれまで、前提条件の整理ができていない or 忘れていることが原因で、どんどん議論が脱線していってしまう現場や失敗に対して表面だけしか見られていない(真の原因を特定できていない)為に的外れな対策しか打てない現場を見てきました。いずれもメタ思考力が不足していたことが原因の一つと言えると思っています。

現代のように、不確定性の高い事柄、かつ様々な要素が複雑に絡み合った事柄を扱わねばらないシーンが多いと、これらの能力が求められることも多いと感じるのです。